研究用語辞典

血管年齢

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血管年齢とは

その人の実際の年齢に比べて、血管の状態がどの程度老化しているかを示す指標。血管年齢は、血管の柔軟性や厚さ、血流の状態などを測定することによって推定される。若い血管はしなやかで柔軟性が高いが、血管が老化すると弾力を失って硬くもろくなり(動脈硬化)、心疾患や脳血管疾患など循環器疾患のリスクが増加する可能性がある。健康管理と病気予防の観点から血管年齢を知り、健康的な生活習慣を採用することで血管の老化を遅らせ、また改善することが重要である。

血管を老化させる要因

血管年齢が高くなる原因はさまざまあり、以下のような複数の要因が重なって老化を促進する。

高血圧:血圧が高い状態が続くと、血管にかかる圧力が増え、血管壁がダメージを受けやすくなる。
喫煙:タバコによるニコチン摂取は、心拍数の増加、血圧上昇、末梢血管の収縮など血管に負荷を与え、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させる。
糖尿病:血糖値が高い状態が続くと、血管壁が傷つきやすくなり、血管の老化を促進する。
肥満:過体重は高血圧や高コレステロールのリスクを高め、結果的に血管に悪影響を及ぼす可能性がある。
ストレス:慢性的なストレスは血圧を高め、血液が凝固しやすくなり血管に負担を与える。

不健康な食生活:塩分、糖分、飽和脂肪酸の過剰摂取は、血圧を上昇させ、また血管に直接ダメージを与えて血管を老化させる。

血管年齢の主な測定方法と特徴

日本動脈硬化学会による動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版では、血管機能検査法として以下のような検査が設定されている。

主な検査法内容
足関節上腕血圧比(ABI)検査上腕と足首の動脈の血圧差から血管の詰まり具合を調べる。
足趾上腕血圧比(TBI)検査上腕と足の指先の動脈の血圧差から血管の詰まり具合を調べる。
脈波伝播速度(PWV)検査動脈内を脈がどのくらいのスピードで伝わったのかを計測し、その速さから血管の硬さを推定する。
心臓足首血管指数(CAVI)検査両腕、両足首にカフを、胸元に心音マイクをつけ、血圧と脈波を測定。動脈の弾力具合を調べる。
血流依存性血管拡張反応(FMD)検査腕を圧迫し、開放後にどれだけ動脈が拡がるかを超音波で調べる。血管の内側の血管内皮の状態を評価する。

小林製薬研究員からひとこと

漢方薬にも用いられてきた植物「杜仲」。その葉を茶葉(食品)とした杜仲茶の血管のしなやかさを改善する効果を見るために行った研究では、杜仲葉エキス配合食品(杜仲茶)の12週間連続摂取により,血流依存性血管拡張反応率(%FMD)の改善を認めました。この改善幅は,「血流依存性血管拡張反応率(%FMD)と加齢の関係」のデータにあてはめると,血管年齢が6歳程度若返ることと同じ効果であることになります。