杜仲茶とは
杜仲茶は、トチュウ属トチュウ科の落葉樹「杜仲(トチュウ)」の葉を茶用としたもの。杜仲は中国四川省が原産とされる1科1種の珍しい植物であり、日本には大正時代に渡来したとされる。杜仲の樹皮は強壮、強精、降圧作用があるとされ、樹皮を乾燥させたものが古来より漢方薬、生薬として利用されてきた。16世紀に書かれた中国の医薬書である”本草綱目”には、杜仲の樹皮の効能として高血圧症などが記載されている。樹皮とともに杜仲の葉を使った杜仲茶も健康茶として広く飲用されてきたが、近年の研究により、樹皮同様特有の成分を含むことが確認され、杜仲茶の血圧降下や高脂血症予防、抗肥満などの具体的な健康効果、有効成分などが示されている。特に、杜仲茶で使われる杜仲葉に含まれる杜仲葉配糖体(ゲニポシド酸)は、臨床研究によりその作用機序とともに血圧降下作用が確認されている。
杜仲茶の健康効果
杜仲茶に使用される「杜仲葉」に含まれる杜仲葉配糖体(ゲニポシド酸)の健康効果については、ヒト臨床試験による高血圧に対する有効性の研究などが行われており、杜仲葉配糖体(ゲニポシド酸)の降圧効果が認められている。その作用機序は、副交感神経に作用して、一酸化窒素が関与した血管平滑筋を弛緩させ、その結果血流への抵抗が下がることでの降圧作用であるとされている。
【図】杜仲茶に含まれる杜仲葉配糖体(ゲニポシド酸)の降圧作用の機序