動脈硬化指数(LH比)とは
血液中のHDLコレステロールとLDLコレステロールの比率から、動脈硬化のリスクを評価するための指標。HDLコレステロールは一般的に善玉コレステロールと呼ばれ、血液中の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す役割を担っている。一方、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれ、血管中に増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化を促進する要因となる。動脈硬化指数(LH比)はこのHDLコレステロール値とLDLコレステロール値の比率をみたもので、「LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値」で算出される数値で示される。LDLコレステロール値が正常であっても、HDLコレステロール値が低いと動脈硬化性疾患のリスクが高まるという研究結果が報告され、予防には単独の数値だけでなく両方のバランスを示すLH比が注目されるようになった。
動脈硬化指数(LH比)の改善方法
動脈硬化指数(LH比)は1.5以下が健康な状態とされ、それ以上になるとコレステロールの蓄積が増え、動脈硬化性疾患のリスクが高まると言われている。LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値で算出されるため、改善するにはLDLコレステロール値を下げる、もしくはHDLコレステロール値を高めることが必要となる。
LDLコレステロール値を下げるには、飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身や内臓の摂取を控える、食物繊維や植物ステロールを含む野菜や海藻類の摂取を増やすといった食事療法が有効だが、効果が不十分な場合には薬物療法によるコントロールを併用する。一方、HDLコレステロールは肥満、運動不足、喫煙などによるトリグリセライド(中性脂肪)の上昇に伴って低下していることが多く、その場合は炭水化物摂取比率とアルコール摂取を減らす食事療法や、有酸素運動を中心とした運動療法によりトリグリセライド(中性脂肪)値を減らすことが有効である。
【図】動脈硬化指数(LH比)と血管の状態