研究報告

乳がん患者(術後補助化学療法)へのシイタケ菌糸体エキスのプラセボ対象とした二重盲検試験の結果: QOLと免疫機能改善を検証

実施機関
下関関医療センター、山口大学医学部、近畿大学医学部
論文発表先
Mol Clin Oncol. 2017 Sep;7(3):359-366

本サイトで掲載している情報は、一般的な素材にも含まれる成分に関する学術研究成果です。特定の製品・食品の効果を保証するものではありません。本研究成果も限られた条件下での成果であり、特定の製品・食品を摂っても、同じ効果が得られるというものではありません。

概要

山口大学医学部を中心とする研究グループで、47名の乳がん術後補助化学療法施行患者に対し、シイタケ菌糸体エキス摂取による、QOLと免疫機能へ及ぼす影響を検証する二重盲検試験が実施されました。

この試験では、シイタケ菌糸体エキス摂取群はプラセボ群に対して、QOLと免疫機能(制御性T細胞の調整)を維持する有用性が確認されました。

この試験では、シイタケ菌糸体エキス摂取群はプラセボ群に対して、QOLと免疫機能(制御性T細胞の調整)を維持する有用性が確認されました。

 

CTL細胞(免疫細胞)が、癌細胞を攻撃する。
制御性T細胞は、がん細胞を攻撃するCTL細胞(免疫細胞)の活動を抑制する働きをする。

背景

乳癌の術後補助化学療法において、アンスラサイクリン系の抗がん剤が広く使用され有用性が知られています。しかしながら、その副作用として疲労や身体活動性の低下、免疫機能の低下との関連が報告されています。

一方、シイタケ菌糸体エキスはこれまでに、抗がん剤治療に伴う副作用の軽減やNK細胞活性等を介した免疫機能改善作用を有することが報告されています。本研究では、このような事実に基づいて、乳癌術後補助化学療法施行患者における、シイタケ菌糸体エキスの有用性の検証が試みられました。

方法

多施設共同、無作為化プラセボ対照二重盲検試験(RCT)
対象:乳がん術後アンスラサイクリン系補助化学療法を実施する患者47 例
(シイタケ菌糸体群23 例、プラセボ群24 例)
試験品:錠剤(シイタケ菌糸体エキス150mg/ 粒,プラセボ群はプラセボ錠)
用法:1 回6 粒×2 回/day、シイタケ菌糸体群はシイタケ菌糸体エキスとして1 日1,800mg 摂取
評価項目:QOL、免疫機能
※FEC療法=5-FU(5-FU)+シクロホスファミド+エピルビシン
 FAC療法=5-FU+シクロホスファミド+ドキソルビシン/ピラルビシン
 EC療法=シクロホスファミド+ドキソルビシン/ピラルビシン
 AC療法=シクロホスファミド+エピルビシン
項目内容
方法多施設共同、無作為化プラセボ対照二重盲検試験(RCT)
対象乳癌術後アンスラサイクリン系補助化学療法を実施する患者47 例
(シイタケ菌糸体群23例、プラセボ群24例)
試験品錠剤(シイタケ菌糸体エキス150mg/ 粒,プラセボ群はプラセボ錠)
用法:1 回6 粒×2 回/day、シイタケ菌糸体群はシイタケ菌糸体エキスとして1 日1,800mg 摂取
評価項目QOL、免疫機能

研究結果

①QOL:プラセボ群では、化学療法2コース目のday8でQOLトータル及び活動性スコアが低下したのに対し、シイタケ菌糸体エキス摂取群ではQOLスコアが低下せず維持されていた。

①QOL:プラセボ群では、化学療法2コース目のday8でQOLトータル及び活動性スコアが低下したのに対し、シイタケ菌糸体エキス摂取群ではQOLスコアが低下せず維持されていた。

②免疫機能:プラセボ群に対し、シイタケ菌糸体エキス摂取群では化学療法2コース目の22日目で免疫抑制性T細胞(Treg)の上昇が抑制される傾向が観察された

②免疫機能:プラセボ群に対し、シイタケ菌糸体エキス摂取群では化学療法2コース目の22日目で免疫抑制性T細胞(Treg)の上昇が抑制される傾向が観察された

今後の期待

本研究によって、シイタケ菌糸体エキスの摂取は、乳癌術後補助化学療法によるQOL及び免疫機能低下を軽減する作用を有することが示唆され、今後より詳細な研究の実施を経て、乳癌術後補助化学療法における補助的な利用が期待されます。

利害関係

本研究は、大阪癌研究会の助成金により実施されました。小林製薬は研究に用いられたシイタケ菌糸体エキスを提供致しました。

備考

シイタケ菌糸体

シイタケ菌糸体は、私たちがふだん食べているシイタケの笠の部分(子実体)とは別のもので、糸状の形をしていることから菌糸体と呼ばれます。

シイタケ菌糸体は私たちが普段食べているシイタケの笠の部分(子実態)とは別のもので、糸状の形をしていることから菌糸体と呼ばれます。

研究素材の紹介