研究用語辞典

制御性T細胞(Treg、免疫抑制細胞)

本サイトで掲載している情報は、一般的な素材にも含まれる成分に関する学術研究成果です。特定の製品・食品の効果を保証するものではありません。本研究成果も限られた条件下での成果であり、特定の製品・食品を摂っても、同じ効果が得られるというものではありません。

制御性T細胞(Treg、免疫抑制細胞)とは

免疫系を担う細胞の一種であり、過剰な免疫反応を抑制する役割を持つ細胞。制御性T細胞、Tregなどと呼ばれる免疫抑制細胞の一種である。免疫細胞は、体内に侵入した細菌やウイルス等の外敵を攻撃・排除するほか、体内で発生したがん細胞などを攻撃して体を守っているが、バランスが崩れて過剰に働くと、本来攻撃すべきでない正常な組織や細胞を誤って攻撃してしまうことがある。その結果、関節リウマチなどの膠原病やⅠ型糖尿病などの自己免疫疾患やアレルギー疾患を発症してしまう。免疫抑制細胞の主要な機能は、免疫細胞のバランスを保ち、正常な組織や細胞を攻撃することを防ぐことによって、自己免疫疾患やアレルギー性疾患、移植組織の拒絶反応などの免疫関連の疾患の発症を抑制することである。

制御性T細胞とがん細胞との関係につい

がんの微小環境において、がん細胞は自らの身を守るために、この制御性T細胞を利用して、免疫系からの攻撃を回避している。この制御性T細胞を取り除くことにより、がんに対する免疫応答を強化する新たながん治療の研究開発などが進められている。

【図】がん細胞は制御性T細胞を利用して免疫の攻撃を回避する

制御性T細胞とがん細胞との関係
参考文献

小林製薬研究員からひとこと

小林製薬では長年に渡りシイタケ菌糸体抽出物の研究を続けて参りましたが、悪性腫瘍(がん)治療後の経過観察者を対象に、免疫機能改善効果の可能性が指摘される担子菌類製剤(冬虫夏草菌糸体、メシマコブ子実体、鹿角霊芝子実体、シイタケ菌糸体)の効果を調べた研究では、シイタケ菌糸体抽出物を摂取したがんの再発予防ステージの患者さんではIFN-γ/IL-10の産生比が上昇し、免疫の攻撃と免疫抑制のバランスが改善されたという結果が示されています。