制御性T細胞(Treg、免疫抑制細胞)とは
免疫系を担う細胞の一種であり、過剰な免疫反応を抑制する役割を持つ細胞。制御性T細胞、Tregなどと呼ばれる免疫抑制細胞の一種である。免疫細胞は、体内に侵入した細菌やウイルス等の外敵を攻撃・排除するほか、体内で発生したがん細胞などを攻撃して体を守っているが、バランスが崩れて過剰に働くと、本来攻撃すべきでない正常な組織や細胞を誤って攻撃してしまうことがある。その結果、関節リウマチなどの膠原病やⅠ型糖尿病などの自己免疫疾患やアレルギー疾患を発症してしまう。免疫抑制細胞の主要な機能は、免疫細胞のバランスを保ち、正常な組織や細胞を攻撃することを防ぐことによって、自己免疫疾患やアレルギー性疾患、移植組織の拒絶反応などの免疫関連の疾患の発症を抑制することである。
制御性T細胞とがん細胞との関係について
がんの微小環境において、がん細胞は自らの身を守るために、この制御性T細胞を利用して、免疫系からの攻撃を回避している。この制御性T細胞を取り除くことにより、がんに対する免疫応答を強化する新たながん治療の研究開発などが進められている。
【図】がん細胞は制御性T細胞を利用して免疫の攻撃を回避する