研究用語辞典

メシマコブ(桑黄、サンヒャン)

本サイトで掲載している情報は、一般的な素材にも含まれる成分に関する学術研究成果です。特定の製品・食品の効果を保証するものではありません。本研究成果も限られた条件下での成果であり、特定の製品・食品を摂っても、同じ効果が得られるというものではありません。

メシマコブ(桑黄、サンヒャン)とは

メシマコブは、桑の木に生えるタバコウロコタケ科のキノコの一種。サンヒャンの別名もある。アジアや北米が原産とされ、日本では長崎県男女群島の女島(メシマ)でコブ状に生えていた(生育するにつれて扇状になる)ことが、和名「メシマコブ」の由来とされる。主な成分は、子実体部分に含まれるアガリシン酸、アガリシン、ラリシン酸などで、中国などの伝統医学では古くから薬用として利用されており、漢方では「桑黄(そうおう)」として⽌汗・利尿などに使われている。また、免疫賦活作用や抗腫瘍作用、抗ウイルス作用があるとされ、韓国や日本でも基礎研究が行われてきた。

メシマコブ(桑黄、サンヒャン)のがん免疫に関する作用について

キノコから得られる成分の抗腫瘍作用については古くから研究が行われてきている。1968年に発表された国立がんセンター研究所のグループによる研究では、サルコーマ180を皮下移植したマウスに10数種類のキノコの熱水抽出エキスを投与し、抗腫瘍効果を確認する研究が行われた。その結果、メシマコブは腫瘍阻止率で最も高い96.7%を示した。また、その後韓国ではメシマコブ菌糸体の培養技術開発が進められ、がん治療のための医薬品として認可されるに至った。メシマコブの抗腫瘍作用は、免疫細胞であるNK(ナチュラルキラー)細胞やマクロファージ等の活性化によるものとされる。ただし、こうした抗腫瘍作用は基礎研究では確認されているものの、ヒトに対する臨床試験でのデータは十分ではない。

参考文献

小林製薬研究員からひとこと

小林製薬では長年に渡りシイタケ菌糸体抽出物の研究を続けて参りました。悪性腫瘍(がん)治療後の経過観察者を対象に、免疫機能改善効果の可能性が指摘されるメシマコブを含む担子菌類製剤(メシマコブ子実体、冬虫夏草菌糸体、鹿角霊芝子実体、シイタケ菌糸体)の効果を調べた研究では、シイタケ菌糸体抽出物を摂取した被験者は、摂取前後で免疫バランス(IFN-γ /IL-10比)の上昇が確認された一方、他の抽出物の摂取者では有意な差が確認されなかったという結果が示されています。