研究報告

癌化学療法実施患者におけるシイタケ菌糸体エキスの有用性と安全性

実施機関
広島大学原爆放射線医科学研究所
論文発表先
Am J Chin Med 39:451-459. 2011 (査読あり)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21598414/

本サイトで掲載している情報は、一般的な素材にも含まれる成分に関する学術研究成果です。特定の製品・食品の効果を保証するものではありません。本研究成果も限られた条件下での成果であり、特定の製品・食品を摂っても、同じ効果が得られるというものではありません。

概要

広島大学を中心とする研究グループで、化学療法を施行する乳癌術後3名、胃癌術後1名、大腸癌術後1名、再発食道癌1名、再発大腸癌1名に対し、シイタケ菌糸体エキス摂取による、QOLと免疫機能へ及ぼす影響を検証す単独施設単群オープン試験が実施されました。

この試験では、化学療法+シイタケ菌糸体エキス摂取時に、摂取前に比べ摂取後にQOLと免疫機能が改善する有用性が確認されました。

この試験では、化学療法+シイタケ菌糸体エキス摂取時に、摂取前に比べ摂取後にQOLと免疫機能が改善する有用性が確認されました。

背景

シイタケ菌糸体エキス(LEM)は、ハーブ類として広く利用されている。しかしながら、安全性と有用性についての科学的な評価が十分でなかった。そこで、本研究では、癌化学療法施行患者における安全性、QOLへの作用及び免疫応答について評価を行った。

方法

単独施設単群オープン試験
対象:化学療法を施行する乳癌術後3名、胃癌術後1名、大腸癌術後1名、再発食道癌1名、再発大腸癌1名
試験品:顆粒(シイタケ菌糸体エキス600mg/ 袋)
用法:1 回1袋 粒×3 回/day、シイタケ菌糸体群はシイタケ菌糸体エキスとして1 日1,800mg 摂取
評価項目:QOL、免疫機能
項目内容
方法単独施設単群オープン試験
対象化学療法を施行する乳癌術後3名、胃癌術後1名、大腸癌術後1名、再発食道癌1名、再発大腸癌1名
試験品試験品:顆粒(シイタケ菌糸体エキス600mg/ 袋)
用法:1 回1袋 粒×3 回/day、シイタケ菌糸体群はシイタケ菌糸体エキスとして1 日1,800mg 摂取
評価項目QOL(栗原班)、
免疫機能(NK活性、LAK活性、Th1/Th2バランス、血球計算)

研究結果

シイタケ菌糸体エキスを併用した化学療法2コース目の前後で、QOLトータルスコア及びNK細胞活性の改善が確認された。

QOL身体性スコア

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性
※NK細胞はリンパ球に含まれる免疫細胞の一種。
がん細胞やウイルス感染細胞などの異常細胞を発見すると、単独で攻撃する。

今後の期待

本研究によって、シイタケ菌糸体エキスと化学療法との併用は、安全であり、QOLと免疫応答を改善することが示唆された。今後、より規模の大きい試験での検証が必要である。

利害関係

本研究は、大阪癌研究会の助成金により実施されました。小林製薬は研究に用いられたシイタケ菌糸体エキスを提供致しました。

備考

シイタケ菌糸体

シイタケ菌糸体は、私たちがふだん食べているシイタケの笠の部分(子実体)とは別のもので、糸状の形をしていることから菌糸体と呼ばれます。

シイタケ菌糸体は私たちが普段食べているシイタケの笠の部分(子実態)とは別のもので、糸状の形をしていることから菌糸体と呼ばれます。

研究素材の紹介