概要
広島大学を中心とする研究グループで、化学療法を施行する乳癌術後3名、胃癌術後1名、大腸癌術後1名、再発食道癌1名、再発大腸癌1名に対し、シイタケ菌糸体エキス摂取による、QOLと免疫機能へ及ぼす影響を検証す単独施設単群オープン試験が実施されました。
この試験では、化学療法+シイタケ菌糸体エキス摂取時に、摂取前に比べ摂取後にQOLと免疫機能が改善する有用性が確認されました。
背景
シイタケ菌糸体エキス(LEM)は、ハーブ類として広く利用されている。しかしながら、安全性と有用性についての科学的な評価が十分でなかった。そこで、本研究では、癌化学療法施行患者における安全性、QOLへの作用及び免疫応答について評価を行った。
方法
項目 | 内容 |
方法 | 単独施設単群オープン試験 |
対象 | 化学療法を施行する乳癌術後3名、胃癌術後1名、大腸癌術後1名、再発食道癌1名、再発大腸癌1名 |
試験品 | 試験品:顆粒(シイタケ菌糸体エキス600mg/ 袋) 用法:1 回1袋 粒×3 回/day、シイタケ菌糸体群はシイタケ菌糸体エキスとして1 日1,800mg 摂取 |
評価項目 | QOL(栗原班)、 免疫機能(NK活性、LAK活性、Th1/Th2バランス、血球計算) |
研究結果
シイタケ菌糸体エキスを併用した化学療法2コース目の前後で、QOLトータルスコア及びNK細胞活性の改善が確認された。
今後の期待
本研究によって、シイタケ菌糸体エキスと化学療法との併用は、安全であり、QOLと免疫応答を改善することが示唆された。今後、より規模の大きい試験での検証が必要である。
利害関係
本研究は、大阪癌研究会の助成金により実施されました。小林製薬は研究に用いられたシイタケ菌糸体エキスを提供致しました。
備考
シイタケ菌糸体
シイタケ菌糸体は、私たちがふだん食べているシイタケの笠の部分(子実体)とは別のもので、糸状の形をしていることから菌糸体と呼ばれます。
研究素材の紹介
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