概要
金沢大学を中心とする研究グループで、術後ホルモン療法を施行する乳がん患者20名に対し、シイタケ菌糸体エキス摂取による、QOLへ及ぼす影響を検証する単独施設単群オープン試験が実施されました。
この試験では、術後ホルモン療法+シイタケ菌糸体エキス摂取時に、QOLが改善する有用性が確認されました。
背景
シイタケ菌糸体エキス(LEM)は、生体応答調整成分として広く利用されている。しかしながら、術後ホルモン療法施行患者における作用については検証が乏しかった。そこで、本研究では、乳がん術後ホルモン療法施行患者における、QOLと免疫応答への作用を検証した。
方法
項目 | 内容 |
方法 | 単独施設単群オープン試験 |
対象 | 乳癌術後ホルモン療法実施患者20名 |
試験品 | 試験品:顆粒(シイタケ菌糸体エキス600mg/ 袋) 用法:1 回1袋 粒×3 回/day、シイタケ菌糸体群はシイタケ菌糸体エキスとして1 日1,800mg 摂取 |
評価項目 | QOL、免疫機能 |
研究結果
①QOLトータルスコアと及び活力項目が、有意に改善した
②免疫機能:摂取前値が正常値の方は変化がなかったが摂取前値が低値の方(6名)はシイタケ菌糸体エキス摂取後に上昇した
今後の期待
本研究によって、シイタケ菌糸体エキスは乳がん術後ホルモン療法施行患者において、QOLと免疫機能を改善することが示唆された。今後、より規模の大きい試験での検証が必要である。
利害関係
本研究は、北陸ライフケアクラスターの助成により実施されました。小林製薬は研究に用いられたシイタケ菌糸体エキスを提供致しました。
備考
シイタケ菌糸体
シイタケ菌糸体は、私たちがふだん食べているシイタケの笠の部分(子実体)とは別のもので、糸状の形をしていることから菌糸体と呼ばれます。
研究素材の紹介
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