IFN-γ(インターフェロンガンマ)とは
IFN-γはさまざまな細胞から分泌されるサイトカイン(主に免疫系細胞から分泌され、細胞間の情報伝達を担っている生理活性物質)の一種で、抗ウイルスや抗腫瘍、免疫調節などの作用を持つIFN(インターフェロン)のサブタイプの一つである。インターフェロン(IFN)にはもともと抗ウイルス作用があることが知られていたが、1969年にマウスによる実験で抗腫瘍効果があることが示された。その後、インターフェロンの作用を介した抗ウイルス薬やがん治療薬(インターフェロン製剤)がいくつか承認されている。インターフェロンはその構造からI~III型に分類されるが、II型に属するIFN-γはT細胞やNK細胞といった免疫細胞から分泌され、がん免疫において重要な役割を果たす。
IFN-γ(インターフェロンガンマ)の働き
IFN-γは直接的な抗腫瘍作用のほか、細胞増殖抑制、NK細胞の活性化など、がんに対する免疫反応(免疫応答)に重要な働きをすることが知られている。またIFN-γは樹状細胞などの抗原提示細胞のMHC分子の発現を増加させて、獲得免疫の成立にも寄与することで、がん細胞の排除の中心的役割を担うCTL(細胞傷害性T細胞)の活性化にも関与している。こうしたことから、IFN-γはがんに対する免疫反応(免疫応答)に重要なサイトカインと考えられている。