アラビノキシランとは
アラビノキシランは、植物細胞壁を構成する多糖類ヘミセルロースの主成分で、特に米、小麦、トウモロコシ、ライ麦などのイネ科植物の外皮や胚芽などの表皮部分に多く含まれている。米ぬかから分離抽出したヘミセルロースに、シイタケやスエヒロダケなどの菌糸体に含まれる酵素を作用させることで得られる「米ぬかアラビノキシラン誘導体」は、免疫調整作用や脂質代謝改善作用を持つとしてさまざまな研究がなされ、注目されている。
アラビノキシランの免疫・がん領域の作用・研究について
米ぬかアラビノキシランには免疫調整、免疫強化作用があることが知られており、抗がん分野への応用研究が活発に行われてきた。アラビノキシランが免疫力を高めるメカニズムとして、がん化した細胞やウイルスに感染した細胞に対してNK(ナチュラルキラー)細胞活性を増強し、TNF-α(腫瘍壊死因子-α)、IFN-γ(インターフェロンガンマ)などの抗腫瘍効果のあるサイトカイン産生を促進することが報告されている。NK(ナチュラルキラー)細胞は自然免疫を担う重要な免疫担当細胞であり、腫瘍免疫の中でも重要な役割を果たしている。こうしたアラビノキシランの抗腫瘍効果は、B型・C型肝炎、肝がん、大腸がん、乳がんなどを対象とした研究で報告されている。