研究用語辞典

アラビノキシラン

本サイトで掲載している情報は、一般的な素材にも含まれる成分に関する学術研究成果です。特定の製品・食品の効果を保証するものではありません。本研究成果も限られた条件下での成果であり、特定の製品・食品を摂っても、同じ効果が得られるというものではありません。

アラビノキシランとは

アラビノキシランは、植物細胞壁を構成する多糖類ヘミセルロースの主成分で、特に米、小麦、トウモロコシ、ライ麦などのイネ科植物の外皮や胚芽などの表皮部分に多く含まれている。米ぬかから分離抽出したヘミセルロースに、シイタケやスエヒロダケなどの菌糸体に含まれる酵素を作用させることで得られる「米ぬかアラビノキシラン誘導体」は、免疫調整作用や脂質代謝改善作用を持つとしてさまざまな研究がなされ、注目されている。

アラビノキシランの免疫・がん領域の作用・研究について

米ぬかアラビノキシランには免疫調整、免疫強化作用があることが知られており、抗がん分野への応用研究が活発に行われてきた。アラビノキシランが免疫力を高めるメカニズムとして、がん化した細胞やウイルスに感染した細胞に対してNK(ナチュラルキラー)細胞活性を増強し、TNF-α(腫瘍壊死因子-α)、IFN-γ(インターフェロンガンマ)などの抗腫瘍効果のあるサイトカイン産生を促進することが報告されている。NK(ナチュラルキラー)細胞は自然免疫を担う重要な免疫担当細胞であり、腫瘍免疫の中でも重要な役割を果たしている。こうしたアラビノキシランの抗腫瘍効果は、B型・C型肝炎、肝がん、大腸がん、乳がんなどを対象とした研究で報告されている。

参考文献
  • 日経ヘルス サプリメント辞典 第4版(日経ヘルス)p15
  • ナチュラルメディシン・データベース 健康食品・サプリ「成分」のすべて第7版(同文書院)2022年 p73
  • サプリメント辞典第3版(平凡社)「アラビノキシラン」

小林製薬研究員からひとこと

小林製薬では長年に渡りシイタケ菌糸体抽出物の研究を続けて参りました。アラビノキシランなど複数の有用成分が含まれたシイタケ菌糸体抽出物の免疫機能改善効果に着目して、がん免疫へ応用する研究が数多く行われています。全国10以上の大学等研究機関が参加して、実際のがん患者に対する効果を検証する臨床研究が実施されています。