IL-10(インターロイキン10)とは?
IL-10は、T細胞、樹状細胞(DC)、NKT細胞、マクロファージ、制御性T細胞(Treg)など、自然免疫や獲得免疫の双方に関わるさまざまな免疫細胞から産生されるサイトカインの一種。サイトカインの働きには、免疫機能を活性化させるもの、抑制的に働くものがあるが、IL-10はTGF-βなどとともに、抑制性のサイトカインとして知られている。構造的な類似性や受容体の特徴から、IL-19、20、22、24、26、28A、28B、29を含む9つがIL-10ファミリーとして同定されている。
IL-10(インターロイキン10)の働き
IL-10は、IFN-γなどの炎症系サイトカインの産生を抑制し、樹状細胞に対しては抗原提示能を低下させる作用を持つ抑制性サイトカインである。また、制御性T細胞(Treg)の分化・増殖を促進することで、T細胞の増殖や活性化を制御するなど、過剰な免疫反応を調整する役割を果たしている。自己免疫疾患モデルマウスのIL-10を欠損させると病態が悪化することや、IL-10ノックアウトマウスでは炎症性大腸炎を自然発生することなどが分かっている。